D型ハンドピーリング
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ノーザン・ホワイトシーダー
Northern White Ceder



ノーザンホワイトシーダーは日本のヒノキと同じ種に属する高級木材であることは知られていますが、単にヒノキと同じ種の木材だから良いものだと言うだけでは、高級で値段が高いものと言うイメージしか与えないかも知れません。しかし、実際にノーザン・ホワイトシーダーは何が優れていて、何処に特徴があるのかを具体的に説明した文献は非常に少なく、この木に関し納得の行く説明が出来る人はごく限られた専門家しかいないのが現状です。そこで誰にでもわかりやすいように、ミシガン州立大学協賛のもとに開催されたノーザン・ホワイトシーダー・コンファレンスでの論文と、米国農務省のデータを要約してご紹介を致します。ノーザン・ホワイトシーダーの特徴は一口で言えば次のようなものになります。

●ノーザン・ホワイトシーダーの多くは北米5大湖周辺に生育し、他のソフトウッドの種と比較して最も量が多い樹木の一つですが、全米ではごく限られた地域にしか見る事が出来ず、世界的にもカナダ、スェーデン及び日本のごく一部の地域にしか現在では生育していない希少価値の高い木材です。
●住宅、別荘、フェンス、支柱、電信柱などに重要な木材であり、他の木材には見られない数多くの独特な性状を持っています。
●野生の生物に対して独自な栄養物と自然繁殖地を与えています。
●商業用の木材の中で密度が最も低く、軽量です。
●ノーザン・ホワイトシーダーの心材は腐蝕や害虫に対する自然の抵抗力を持った、ごく僅かな木材の一つです。

商業的に重要な全ての木材の中で北米のノーザン・ホワイトシーダーは比重が最も低く、ウェスタン・レッドシーダーの0.34に対して0.31と非常に軽い木材で、その使用目的は比重が低い事を応用した分野にその利点を発揮します。ノーザン・ホワイトシーダーは乾燥しているほど丈夫なものになります。ホワイトシーダーは弾性係数では他の種の木材よりも低い数値を示していますが、木目に対して平行なせん断力ではバルサムよりも高い数値を示しています。ホワイトシーダーの収縮は木目に対する全ての方向及び体積的にも他のソフトウッドと比較していずれも最小で、エゾマツやハリモリなどと比較して、生木を乾燥させる場合の収縮率は75%も低い事がわかっています。この事はノーザン・ホワイトシーダーの寸法安定性が如何に高いものであるかを示しています。ごく一般的なレッドシーダーやノーザン・パインのログハウスよりホワイトシーダーの心材を使ったログハウスの方が収縮が少なく、メンテナンスの苦労が少ないのもホワイトシーダーのこの物理的性状によるものです。木材の使用に当たりいくつかの性状が重要となりますが、これらを定量的に評価するのは容易ではありません。そこで1をベストとして5を最悪として分類すると、ホワイトシーダーは寸法安定性に関しては1、作業性に付いては2、クギの効きに付いては5、接着のし易さに付いては2、塗装のもちに付いては1に分類されます。接着のし易さに付いては動物性及びカゼイン系のグルーでは1に分類されています。ホワイトシーダーの物理的性状を要約すると、接着が容易で、収縮が非常に少なく、塗料の乗りが良く、軽量であるということになります。
化学的性状
成分を抽出した後の木材の化学的な組成に関する限りでは、その他のソフトウッドと組成に大差がありません。典型的な分析によると55%がセルローズ、31%がリグニン、13.5%がヘミセルローズ、0.5%が灰分で構成されています。マジソン森林製品研究所でウィスコンシン州産のホワイトシーダーに関して抽出物の分析を行った結果は下記の通り報告されています。

アルコール/ベンゼンでの可溶分    6%
エチルエーテルでの可溶分      1.4%
1%水酸化ナトリウムでの可溶分   12.9%
熱湯での可溶分           5.3%
揮発性の油            1−1.5%
これらの数値は一部の目的には役に立ちますが、抽出物の性質を明確にするには不十分で、近年発表された米国農務省のデータで更に詳細な成分が明らかになってきました。これらの抽出物の殆どは心材に含まれています。ホワイトシーダーの心材を細かく砕き、蒸留を行なうとエッセンシャル・オイルが抽出出来、常温になると赤みがかった半固形状の抽出物がえられます。ノーザン・ホワイトシーダーが持っている自然の耐久性の観点から、最も重要な抽出成分はトロポロンと呼ばれるもので、これらの化合物はリングに7つの炭素原子を持っています。ノーザン・ホワイトシーダーに含まれるトロポリンは特にスジャプリシンと言う名前が付けられていて、アルファ、ベータ及びガンマの3つのタイプのスジャプリシンがある事が判明しています。ノーザン・ホワイトシーダーとスェーデン産のものは0.08%のアルファと、0.008%のガンマ・スジャプリシンが含まれ、ベータ・スジャプリシンは含まれていない事が判明しています。一方で、日本のヒノキにはアルファとベータが含まれ、ガンマが含まれていない事がわかっています。トロポロンは鉄または銅の塩類と反応してシェレートを形成します。ホワイトシーダーの中のトロポロンは水を媒体として鉄や銅と反応して釘を腐蝕させるので、樹脂コートした釘や耐腐蝕性の釘を使用する必要があります。 スジャプルシンは木材を破壊する各種のカビに対して非常に毒性をもっています。その力はペンタクロロフェノールに匹敵するものと考えられています。またスジャプリシンはバクテリアの抑制力もあり、人間の病気の治療にも使用された事さえあります。スジャプリシンは水よりも低い溶解点(34−82℃)を持っていますが、木材をキルン乾燥しても大したロスは生じません。最高74℃でキルン乾燥しても、損失率は10%でしかありません。 ノーザン・ホワイトシーダーにはトロポリンまたはスジャプリシンと呼ばれる天然の抗菌成分の他に、今日ではその枝や幹にカテキン、酢酸、ベータ・ユーデスモール、竜脳、ボルニル・アセテート、竜脳油、樟脳、蟻酸、イノシトール、吉草酸類、ケンプフェロール−3−ラムノサイド、リモネン、ミリセチン−3−ラムノサイド、ピニトール、クエルシトリン、サピネン、テルピネオールなど抗凝固、抗酸化、抗癌、強心、皮膚炎鎮静、増血、肝臓保護、酸味、抗耳炎、抗膣炎、去痰、防カビ、ケラチン、香料、殺虫、潰瘍治療、いぼ治療、殺菌、鎮静、鎮痛、精神安定成分など、数多くの有効成分が含まれている事が判明しています。ホワイトシーダーの生育地に古来から住んでいたナバホ、シャイアンなどのアメリカン・インディアンの部族では、ホワイトシーダーを鎮痛剤、咳止め、胃腸薬、風邪薬、解熱剤、婦人病治療薬、ハーブ湯、ほれ薬、喉の薬、呼吸器の薬、消毒薬、下痢止め、止血剤、リューマチの薬、結核の薬、目薬、肝臓薬、整形外科薬、性病の薬、泌尿器薬、万能薬及び儀式の薬として使用してきました。日本でも古くからヒノキの家に住み、ヒノキの風呂に入る習慣も、アメリカン・インディアンと同様な生活の知恵に由来しているものと考えられます。今日でもヒノキ風呂の温泉に入れば体調が良くなったり、気分が落ち着いたりするのは、あながち温泉だけの効用とは言い難いものがあります。新建材を多用した家に住んでフォルムアルデヒト成分などに起因するシックハウス症候群に悩まされ、健康を害するよりは、多少の贅沢をしてもノーザン・ホワイトシーダーの家に住む事は健康面や精神面で理にかなっている事は、成分分析から見ても当然の事と言えるかも知れません。


汚れ、害虫、腐蝕に対する抵抗力
ノーザン・ホワイトシーダーまたはカナダのイースタン・ホワイトシーダーは腐蝕に対して高い抵抗力がある事で知られています。全く塗装などの処理を行わなかった直径4インチのホワイトシーダーの支柱は、ジャック・パインが3年間しかもたなかったのに対して、16年間腐蝕を認められませんでした。しかし、いくらホワイトシーダーが他のソフトウッドと比較して腐蝕に強いと言っても樹皮に近いサップウッドの部分は腐蝕に強いとは言えません。また同じホワイトシーダーでも湿地帯に生育しているものは、水はけの良い土地に生育しているものよりも耐久性が多少優れている事も証明されています。当社の扱うノーザン・ホワイトシーダーは前者の湿地帯で生育したもので、地面が凍結した真冬でないと伐採作業が出来ないのはその為です。シロアリの被害に対してはホワイトシーダーは大量の雨に曝されたり、地面に接触していない限り、他のソフトウッドに比較してかなりの抵抗力をもっている事が判明しています。 レッドシーダーやレッドウッドのように生来赤みを帯びたものとは異なり、ホワイトシーダーのハートウッドは非常に淡い色をしている為にホワイトシーダーと呼ばれています。その利点は塗装するステンの色がそのまま再現されて、黒ずんだ色にならない為に装飾の可能性が一段と広いものになる事です。しかし塗装を行わないで長期間風雨に曝されれば、他のソフトウッドと同様に黒ずんで来ますが、ホワイトシーダーの異なる点はあくまでも表面だけの問題で、表面をごく僅かに削るだけでまた元の白い肌が現れる事です。100年前の米国植民地時代に埋めたホワイトシーダーの杭を切ったところ、中から白い肌が現れた事でも実証されています。これはホワイトシーダーの細胞構造がコルクと同様に、中まで水分や汚れを浸透させない事を如実に物語っています。ホワイトシーダーを風雨に曝す家の外壁、ルーフシングル、フェンス、杭などに使用する場合に、ステンを塗装する理由には二つの目的があるます。一つはステンを施す事で黒ずみを防ぐ事と、二つ目は前述したホワイトシーダーに含まれる有効成分の流出を防ぐ事です。これによりホワイトシーダーの保色性と耐久性が大幅に向上します。


ノーザン・ホワイトシーダーの加工
ノーザン・ホワイトシーダーは真っ直ぐな木目と無数の小さな節を持った密度の低い木材で、密度が低い為に製材に必要な電力費が他の木材と比較してあまりかかりません。また木目が真っ直ぐである為に木目が波を打ったり、入り組んでいる木材で生じる問題を起こす事がありません。 ノーザン・ホワイトシーダーの樹皮には樹脂が含まれていますが、一旦樹皮を剥いでしまえば樹脂分の問題がなくなり、パインなど他のソフトウッドのように製材工具の表面にヤニがべとつく問題を起こす事がありません。また、パインやその他のソフトウッドを使ったログハウスが滲み出てくるヤニで汚れてしまうのに対して、ホワイトシーダーで作ったログハウスがいつまでも美しさを保つ事が出来るのはその為です。用途としてはあまり重要ではありませんが、カモのおとりの彫刻にノーザン・ホワイト・シーダーが使われているのは、こうした低い密度と彫刻のやり易さや、ヤニの問題がない事を立証しています。ホワイトシーダーと人類の関わりは非常に古く、聖書の中にも記されています。ダビデの子、ソロモンがレバノンの山にきこりを送り、ホワイトシーダーを切り出して筏を組んでイスラエルの地に運び壁画や梁に使用して、そこでシバの女王をもてなした話はあまり広く知られていません。いずれにしてもホワイトシーダーの物理的、化学的性状は、今日に至るまで人類の歴史と伝統と生活の知恵の中に脈々と生き続けている貴重な地球の恵みであり遺産である事は紛れもない事実です。我々はこの恵みに感謝してホワイトシーダーの家を創造する事にこだわりと誇りを持っています。
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